海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
「じゃあな海。―――あっ、チャイム鳴っちまった……」


次の授業が始まるチャイムが学校中に鳴り響くが、オレは急ぐ事無く屋上の出入口に向かう。


「た…くま………」


「お前――――……」


俊哉も虎も立ち尽くしたまま、動けないでいた。


オレ…何やってんだろう?


なんでこんなに冷たいセリフしか言えないんだろう?


もっと他に言ってやれる事があるんじゃないのか?


なのに………どうしてこうも、心を黒いモヤモヤが取り巻いてるんだろう。


まるで自分が自分じゃない様な状態で、出入口まで足を進めていた。
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