海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
あんな……?あんなって何?


「黒木屋さん、桜土君昨日どうかしたんですか?」


私が首を傾げてると、アイが先に哲兄に聞いてくれた。


「………卓磨昨日のピアノのレッスン、散々だったんだよ。音荒れてるし演奏間違えるし、挙げ句の果てには演奏途中で止まっちゃうし………」


ウソ…卓磨君が?


私達が音楽祭出るって決める前も、決めた後も、あれ程楽しそうにピアノ弾いてたのに……?


唇を噛みしめ、また俯いてしまう私。


「桜土君……今日学校でもいつもと違いましたもんね」


小梅の呟きが、ガンッと頭に直接響いた。
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