海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
幾ら今やる気を復活させてても、そのやる気がこの先また途切れたら意味が無い。


海に音楽祭当日まできちんとやり切る覚悟があるのか見極める為、逸らす事無く目を合わせ続けた。


数秒間、理科室が沈黙で覆われる。


先にその沈黙を破ったのは、海だった。



「出来る……やります、私」



背筋をピシッと伸ばして、力強く宣言する海。


オレはフゥッ…とホッとして、目尻が下がった。


いいだろう。


今の桐生 海となら……最高の音楽祭にする事が出来る。


そう、確信した。


「それじゃあ明日からまた黒木屋先生ン家借りるぞ」
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