海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
練習のプチ休憩中に、海がグレープジュースを飲みながら呟いた。


オレの姉と妹はなんか隅っこで恋バナとかしてて、先生はピアノ教室の準備をしてる。


「幸せ者って………なんで?」


お茶を飲む手を休めて尋ねると、なぜか海のマツゲが長い事に気づいた。


クルンッてなってて、長さも均一なキレイなマツゲ。


ビューラーとかいらないなぁっと、何となく考えていた。


「あのね……私達の周りって、たくさんいい人が集まってて………私、皆の期待に応えたくて、音楽祭頑張ろうって決めてたの」


キュッとジュースの蓋を閉める海。
< 317 / 403 >

この作品をシェア

pagetop