海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
「私達の音楽祭出場に向けて、たくさんの人が力を貸してくれたのに……私恐怖感や緊張感に負けて、その事忘れてたんだ」


自嘲気味に笑った海は、ペットボトルを自分のオデコに押しつけた。


「だけどまたその事を思い出せて、迷いふっ切れたの。卓磨君、音楽祭………優勝目指そうね?」


ニコッとオレに向かって掌を向ける海に、驚いた。


なんだか海………一気に強くなったな、今回の一件で。


今までとは違う凛々しさが漂ってて、“カワイイ”じゃなくて“カッコイイ”と感じた。


「――――おうっ!優勝してCD券ゲットだ!!」
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