海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
長かった開会式も終わって、生徒はバラバラと立ち上がる。


卓磨君が私の所に走り寄って来た。


「海、視聴覚室行こうか?」


「うん………」


弱々しく何とか返事をしたものの、私の体は震えていた。


どうしよう……確かこれから視聴覚室行って、色々説明受けて………


トップバッターの人以外また体育館に戻って来て他の人の発表見聞きするんだよね………?


ああ……出番はまだ先なのに、今からこんなビビってたら、本番どうするの?どうなるの?私。


しっかりしなきゃ……


しっかり…………


「――――…海、平気だって」
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