海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
確かにまだ怖いな…時間止まればいいなって思う部分もあるけれど……大丈夫。


哲兄達に言われた通り、楽しめばいいんだよね?


「卓磨君、なんかよく分からないんだけど、私緊張ちょっと安らいだみたい」


卓磨君に向かってフッと笑いかけると、不思議そうに瞬きを繰り返される。


しかしすぐに、満面の笑みが待っていた。


「そっか!まぁまだ出番まで時間あるし、他の人達の演奏とか歌楽しむか!!」


「―――うん!」


明るい笑顔の卓磨君と、小走りで体育館に向かう。


私はこの時……本当に優勝出来そうな気がしていた。
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