海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
『私はアナタの事が大好きです』


海が最後の歌詞を歌い切り、スッと目を閉じる。


再びゆっくりと開けられた瞳は、ここからでも吸い込まれそうな程キレイだった。


ポローーン…ジャーーーン……


――――終わった。


全部弾き終わったと同時に、小さく息を吐く。


ふと海の方を見ると、海と目が合った。


涙で微妙にウルウルしている瞳に、次第に不安の色が混じり始めて来た。


……?なんで?


ああ……発表終わったのに、観客が全くの無反応だからか………


オレはピアノのイスに座ったまま、広い体育館にいる観客を眺めてみた。
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