海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
知らなかった彼の特技に感心して、ジッと桜土君を見つめる。


「桐生、今からオレピアノ弾くから、ちょっと聴いててな。リクエスト何がいい?」


「え!?リクエスト!?と言うかピアノ弾くんですか!?」


「ああ。お前だけの為にな」


“お前だけの為に”


………どうしよう。


嬉し過ぎて私、本当に失神しちゃうかも…しれない。


お父さん、お母さん、小4の弟……先立つ不幸をお許し下さい。

(↑死なないから!!死なないからね!?海ちゃん!)


「あっ…えと……浮かばないので、桜土君が好きな曲弾いて下さい………」
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