さよなら、…ありがとう

下に行くと、お母さんがいた。


「おはよう」
「おはよう、みっちゃん。
朝ごはんできてるから」
「うん」


“みっちゃん”とは、わたしのことだ。
隅原未梳(スミハラ ミスキ)。
これがわたしの名前。

よく苗字も名前も変わってると言われる。
別に、どうでもいいことだけど。


「早く食べないと遅刻するから。
隣の希咲ちゃんに、迷惑かかるし」


希咲とは、わたしのお隣りさんで後輩だ。
高校も同じところに進学したので、一緒に登校している。


「…いただきます」


メロンパンを一口食べる。
中からカスタードクリームが出てきて、おいしい。
紅茶を一口飲んで、再びメロンパンを食べる。

それでも頭の中は、学校に行かなければならないことで憂鬱だった。


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