さよなら、…ありがとう
「行ってきます…」
ドアを閉めて、自転車を出す。
その時、ちょうどお隣りさんが出てきたところだった。
「おはよう、未梳ちゃん」
「おはよう、きーちゃん」
草前希咲(クサマエ キサキ)。
さっきも言ったけど、わたしの後輩。
幼なじみでもある。
ちなみにわたしは、“きーちゃん”とよんでいる。
希咲だから。
…わたしは一体、誰に話しかけているのだろう。
「未梳ちゃん、行かないの?」
「え、あぁ…行くよ」
自転車に乗って、学校へ向かう。
たわいない話しをしていても、頭の中はもやもやしていた。