キモチよく困らせて 【密フェチ】
その後、1時間程おとなしく待ってみたけど、お仕事が終わる気配はなかった。
声をかけてくれる気配も、ない。
やっぱり帰ろう……と立ち上がったとき。
ふと、キッチンに溜まった洗い物が目に入った。
……洗っていこうかな。迷惑かけたんだもん。そのくらいお手伝いしてもいいよね?
せめてものお詫びに、泡立てたスポンジでグラスを洗っていると。
「――そうしてると奥さんみたいだな」
「きゃあっ!」
急に背後でささやかれた声に、あたしは弾かれたようにふり返る。
と、至近距離にカズちゃんの体があって、心臓が飛び出しそうになった。
「かっ、カズちゃん……お仕事はっ?」