キモチよく困らせて 【密フェチ】
「終わった。ていうか必死で終わらせた」
「え?」
「せっかく好きな子が来てくれてるのに、ノロノロしてる場合じゃないだろ」
「え。……えっ!?」
「なのに人の気も知らないで、ジャマばっかするんだから困った子だよな。まぁ、そんな所も好きなんだけど」
「……そ、それ……あたしのこと?」
返事の代わりに、じりっと詰められる距離。
とっさに後ずさろうとしたけど、背後はシンクだから逃げ場はない。
「あ、あのっ……、ひゃ!」
首筋に息がかかる。
顔を真っ赤にして固まるあたしに、カズちゃんは意地悪っぽくクスリと笑った。
「ヤバいな。俺もけっこうフェチかも。
好きな子の困った顔」
-END-