【短編】~桜便り~
それから、あたしの誕生日。


学校から帰るとすぐに、玄関のドアを叩く音が聞こえて来た。


「………はい」

あまりのタイミングの良さに、少し驚きながらドアを開けると、息を切らしながらも、いつもの笑顔。


「…ハァ…ハァ…、
おめでとう…コレ…」

あっちゃんは、むき出しのままの“オルゴール”を渡してくれた。

あたしは感動して、気の利いた言葉が言えなくてね。

「誰かに見られたら…」


なんて、言っちゃったんだよね。


「ありがとう」
って、すぐに言えば良かったョ。


今でも、後悔してるんだ………



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