明日目が覚めたら
「私は、アセンデルフ国第一王女、ウルル姫。

 これから、ユリアというもののもとへ案内しなさい。」


「は?」


「聞こえなかったのアンナ。

 私は、この国の誰からも命令は受けないわ。

 国賓の私は、今この国において王と同等の権限を持っているのよ。」


突然のウルルの態度にアンナは戸惑いを隠せない。

ウルルはにっこり笑って。


「大丈夫、悪いようにはしないわ。」


何をすべきなのかは分からない。でも、ただ手をこまねいて、

傍観者になるのは嫌だった。

サ-ブルは分が悪すぎる。彼の目論見は、

多分、王の手によってばっさりと切られるだろう。

この子に罪はない。

案内させたあと開放してやらなくては、

できるなら、サ-ブルも助けてやりたいと思っていた。

多分、アレクなら今頃問題にならないように

うまく事を運んでいるはず。


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