明日目が覚めたら
長い距離を歩いた気がしたが、

思ったより早く自分の部屋の前までやってくることが出来た。

「では、私はこれで。」

「あなたも一緒に、私たちといて頂戴。」

「でも。」

「サンドラにも会ってあげて。」

「会えません。あたしのために、売られて行った姉。

 その上、お使えしている姫様にひどいことをして…」

「あたしは、何もされてないわ。そうでしょう?」

一瞬止まったユリアは、


「はい。」

と頷いた。



部屋の扉を開く。


まるで何もなかったように。
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