明日目が覚めたら
「皆さんに協力していただきたいのは、

 この国の改革です。呪いが解けても、解けなくても

 憎しみが更に大きくなればさらに新たな呪いを生むでしょう。

 私たちは、導かれてここに来たのだと思っています。

 だからこそ、若いあなたたちの力で、

 憎しみのない、人々が集う国づくりをすべきでしょう。」


「他国の姫に言われなくとも、私たちだって、なんとかしたいと思っている。」

アローは少し気に入らなそうに言った。

「でも、どうしたらいいかわからなかったのでしょう?

 アレク、あなたなら出来るでしょう?

 この国を正常な状態に導くことが。」


「はあ?無理を言うな。他国のことに口など出せるか。」


「ん、まあそうね。あなたにも出来ない事があるのね。

 買いかぶりすぎたわ。

 じゃあ、ブレイド王子と一緒に…」


「ちょっと待て、

 できないとは言っていない。

 王族の協力が得られるなら、

 仕組みを変えることの助言ぐらいなら出来る。

 貴重な資源を持つこの国が、貧しいわけがない。

 豊かにするための手立てはいくらでもある。」


アレクの言葉に、ウルルは頷いた。


「その話、本当か?」
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