明日目が覚めたら
不安はある。

いつも一緒にいたアレクを残し国王と対峙するなど、

ただ、そうしなければならない。

頭の中の何かがそうしろと叫んでいる。

しかもそれができるのは明日の夜だけ。

得体の知れない何かが、

ウルルを真実へと突き動かしている。

しかもそれは、

ひどく危険の香りがする。


ウルルの体がユラリと揺れた。


「ウルル。」


アレクが慌てて抱きとめた。


「アル、私、眠い…ひどく眠いわ…どうし…」


多分そんな風につぶやいたのだろう。

大きな穴に吸い込まれるように深い眠りに落ちていった。

糸の切れた操り人形のように。

今までそこで話し、動いていたウルルは、

何かに操られていたのではないか?

そこにいた誰もがそう思った。

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