明日目が覚めたら
ウルルたちは、

その後しばらく滞在し、

ブレイド王子の王に即位する儀式を

客賓として参観し、

祝賀会にも出席した。

その間、サンドラはしばらく里帰りし家族と過ごすこともできた。


王子たちと、談笑したりダンスのお相手をしたことで、

アレクは、ひどく不機嫌になっていた。


「何怒っているのアル。」

「別に怒っているわけではない。

 ただ、一国の姫たるもの、みだりに多数のパ-トナ-とダンスなど…」

「ふふ、妬いてるの?」

「ま、まさか、そういう感情は俺にはない。」

「アル、踊ってくれない?」

「ウルル、だから俺は…」

「明日からまた旅に出るのですもの。

 今日ぐらい優しくして。」

ウルルの差し出した手をそっと受け取る。


ウルルにダンスを教えたのもアレクだ。


軽やかにステップを踏みウルルが舞う。


アレクのリ-ドがよりウルルを美しく見せる。

明日この国を発つ最後の夜を彩っていく。











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