明日目が覚めたら
「ねえ、アレク…サンドラをおいていってはダメかしら。」

アレクはウルルの考えていることを

汲み上げて、

静かに口を開いた。


「ウルル、俺たちはお前が生まれた時から、

 お前を守る人間として、

 大勢の中から俺とサンドラが選ばれた。

 初めて会ったとき

 生まれたばかりのお前は俺の手を握った。


 その時から俺は、生きる意味を持った。

 サンドラだって同じだだと思う。

 生きる意味をお前はサンドラから奪うのか?」



「でも、本当の家族がいるのに。」


「サンドラにとって今の家族は、俺とお前だ。

 お前にとってはそれじゃ不服かもしれないがな。」


「家族。」


そのなれない響きにウルルの心はときめいた。




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