明日目が覚めたら
「サンドラはここに残ってもいいのよ」


旅支度をするサンドラに問いかけた。


「姫さま!私は、何か大きな失敗をしたのでしょうか?

 お言葉に甘えて、実家などでのんきに過ごしてしまったせいですね?

 あああ、すっかり姫様に嫌われてしまって、どうしたら…。」


「ああ、サンドラ違うのよ、ここがあなたの故郷だから。」


オロオロするサンドラ、らしくない。


アレクが遠くから私たちを眺めながら、


『だから言っただろ?』


と言っているようだった。


「サンドラ、これからも私に同行していいから。」


そうため息をついて言うと。


「はいぃっ!!姫さまっ!」


半泣きにならながら抱きついてきた。

時々忘れてしまう、

サンドラやアレクとは主従関係で繋がっていることを、

私の放つ言葉は、彼らにとって命令なのだということを。


並んでいるつもりなのは、私だけなのだ。



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