明日目が覚めたら
町を抜けた高台に、

ジャミル城はそびえていた。

色とりどり南国の花がさく庭園は、

別世界のようだ。

観光客に解放され、様々な国の人が入り乱れ、

その美しさを楽しんでいた。


砂漠という結界に守られたオアシスだからこそ、

開かれた王室が成立するのだろう。

平和な証拠だ。


「羨ましいわね。会う人会う人笑顔だわ。」


「ブレアムの隣の国とは思えませんね。」


「あの国もきっとすぐの豊かになるわ。そうよねアル?」


アルはさっきからぼんやりとしていた。

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