明日目が覚めたら
「何泣いてるんだ?」


「泣いてなんかいないわよ、何言ってるの?」

慌ててゴシゴシと目をこすった。


「ダメだ、こするな、目が傷つくだろう。」


「大丈夫なの?」


「ああ、頭は重い気がするが、大丈夫だ。」


ウルルはほっとした顔をして、


「アルは、病気になっても怪我をしてもダメよ。」


「おい?」


「ダメだからね。」


「無理言うな、俺も生身の人間だぞ。」


アレクはハハハと笑った。


「無理でも、ダメなのよ。」


ウルルはアレクに背を向けてそう言った。

自分で言ってて恥ずかしくて赤くなっているのが

自分でも分かった。

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