明日目が覚めたら
その頃、アレクは、

サンドラの予想通り、サラの店に来ていた。

「よく来てくださいました。

 もうお会いできないのかと思っていましたのに

 お会い出来て嬉しいですわ。

 もう夕食は済ませられたのでしょう。

 軽くお酒などいかがですか?」


終始無言のアレクに、サラは、

スルスル空々しい会話を連ねる。

勧めた酒に手をつけようとしないアレクに

サラはにっこり笑って

「変なものは入っていませんよ?」

と怪しげな言い方をした。

「やはり、思い出してしまいましたね?

 いつ気がついたのですか?」


「聞いてどうする。質問したいのはこっちだ。

 なぜ俺達に近づいた?」


「それは、もちろんあなたに会うためですよ

 …兄さん。」
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