明日目が覚めたら
「おまえに再び兄と呼ばれるとは思わなかったなアル。」

フフ

と不敵な笑いを浮かべるサラ。

「お姫様にアルと呼ばせてるなんて、

 笑っちゃいましたよ。」

「別に呼ばせているわけではない。

 ジャミルで何をしているんだ。」

「商売ですよ。こうして、真面目に暮らしているのですから。

 邪魔はしないで頂きたいですね。

 でも、協力はしてもらいますよ。」

ふうっとかけられた煙に

あの匂いを感じた瞬間、力が抜けて

ドサリとアレクの体は崩れ落ちた。


アル…お前…」



「すみませんねぇ兄さん。

 あなたの馬に乗せてもらった時点で

 軽く暗示をかけさせてもらいました。

 僕は人を思い通りに操れるんですよ兄さん。
 
 この匂い覚えてるでしょう?コレを使ってね。 

 知らないでしょう?今この国を裏で操っているのは、

 父さんですよ。

 って

 もう聞こえてないですか。
 
 大丈夫殺したりしないから。

 しばらく大人しくしててもらいますよ、

 あなたは切り札ですから。」






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