明日目が覚めたら
しまった、

アレクはそんな顔をした。

「大体は、このアルから聞いたけど、

 もし言いたいことがあるなら

 聞くわよ、アレク。」

「アルは、おれが、生まれてすぐあずけられた乳母の子どもだ、

 少しの間だが兄弟として過ごした。

 俺のほうが生まれ月が少し早かった。

 乳母は優しく、幸せな幼少期を送った。

 アルの父親は滅多に帰らない船乗りだった。

 ある日突然船に乗せられ、

 連れてこられたのがアセンブルクだった。


 子供心に売られたんだと自覚した。

 俺は、最初は生みの親に、

 そして育ての親に捨てられたんだ。

 だけど

 赤ん坊のウルルに会って

 お前の教育係になって

 お前を一生守る。

 それが俺の人生でいいと思ってるんだ。」

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