明日目が覚めたら
「ちょっと待て、おまえは俺たちを捨てて、

 アセンデルフにいったと、

 父からそう聞いている。」


「アホか?10やそこらで人生なんか選べるか?」

「なら、何故前にあった時に言わなかった。」

「どうでも良かったからだ、

 お前が父の嘘を信じたなら、それが真実で、構わない。

 たとえ売られたとしても、

 お前の親に育ててもらった事実は変わらない。

 お前という弟がいて、それが心地よかったことは事実だ。

 俺を憎んで、家族が幸せならそれはそれでいい。」


「母は死んだ。父は、船乗りをやめて…」

「わかっている。皆まで言わなくていい。」


二人の話に聞き入っていたウルルは

 いつ、話に割り込むか機会を伺ってウズウズしていた。

「あの~…」

ふたりは、

はっとウルルに視線を移した。




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