明日目が覚めたら
あれはなんだったのかしら?

何となくすっきりしない頭でベッドから起き上がる。


アレクがノックしながら入ってくる。


「お。起きたか、朝食運ぶから先に着替えとけ。」


「あれ?サンドラは?」


「それが、昨日から見当たらないんだ。」


「どうしたのかしら。」


サンドラが何も言わずに傍を離れることなど考えられない。


「まあ、サンドラなら、武術も体術も優れてるし心配いらないさ。」


そういいながら、ジャムのいっぱい入った紅茶を差し出した。


「うん、そうよね。」


カップを受け取りながら頷いた。


そういいながらも、どうしようもない不安に取り付かれていた。


二人に昨夜のことを相談しようと思ったのに。



「ねえ、アル、昨夜なんだけど、変な体験したのよね、

 夢だったのかしら。

 サンドラの事もなんかあんまりいい気がしないのだけど。」


「どういうことだ。」


アレクは眉間に力を入れて身を乗り出した。
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