明日目が覚めたら
アルはニヤリと笑って、

タバコに火をつけると、煙をアレクに吐きかけた。


「兄さん、その女離さないでね。」


はっとした時にはもう遅かった。


アレクは、サンドラをガッチリと抑え、ウルルから引き離した。


アレクは、昨日の夜のように無表情な顔になっていた。

「アル!!」


「だから、アルは俺だから、ウルル姫?

 気の毒だけど、ここからあなたは行方不明になる。」


「私をどうするつもり?」


「さあ?あなたのような何も知らない姫を

 思うままにしたい金持ちは五万といるからね。

 ま、

 最終的にはアセンブルクに帰れますよ。

 どんなかたちで帰れるかは保証できないけどね。」

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