明日目が覚めたら
そこは漁港だった。

様々な海の生物が水揚げされ

選別されていく。

それを、箱に入れ並べられ、商人が買っていく。

一連の作業がスピ-ディで滞らない。

【新鮮なうちに】

これが売り手と買い手双方の利になるからこそ成り立っているのだろう。

「すごいわ。」

呆気にとられて見ているうちに

目の前にあった者たちがあっという間にいなくなり、

ポツリと二人残された。



荷物を抱えて帰ろうとする料理人らしき男が

声をかけてきた。

「お嬢さん方、旅の人かい?」

「はい。」

「俺の店でこいつらを食っていかんか?

 安くしとくよ。」

「サンドラ!」

懇願するウルルの目に、

サンドラはため息をつき、

「しょうがありませんね。

あの、この辺にいい宿はありますか?」
< 202 / 300 >

この作品をシェア

pagetop