明日目が覚めたら
男の名はマイケル、

大柄で、陽気なこの男は船から降りる客相手の、食堂と宿屋を営んでいる。


「お嬢さんたち運がいいよ、ちょうど一部屋だけ空いていた。」


マイケルは、馬たちを厩に繋ぎながら大げさにフリまでつけて、

いかにも自分のお手柄といいたそうな様子だ。


宿を取り仕切る妻に荷物を預け、

レストランホ-ルで食事を振舞われる。

手の込んだ料理ではないが、

とれたての魚介の味が生きた料理で、

海のない国に住む二人にとってはこの上ないご馳走だった。

周りでは酒盛りが始まり、

騒がしいホ-ルで、

サンドラは、

(姫様にこのようなところで食事をさせていいのだろうか。)

と苦々しく思っていた。


しかし、堅苦しい国賓としての城での食事より

数倍楽しいとウルルは思った。






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