明日目が覚めたら

「お姉さま、お茶はいかが?」

ぼんやりと、考えあぐねているところにエスタ-シャがやってきた。


「ああ、ありがとうご一緒するわ。」


エスタ-シャの笑顔は癒される。

不安も暫くは忘れていられそうだ。

侍女にケ-キを取り分けて貰いながら、

エスタ-シャは、もう待ちきれないという様子で話し始める。


「お母様の様子が変なのです。なんだか酷く苛立っていらっしゃって、

 お父様も何となくぼんやりしてらして、

 一体どうしたのかしら。」


「そう、それは心配ね。」


「それから南門の守衛室に灯りが点いたの。

 あそこに灯りが点くと悪いことが起こると言われているのよ。」


「あら、怖い話ね。でもその割にエスは嬉しそうね。」
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