明日目が覚めたら
「だってお姉さま、毎日退屈なんですもの

 お城を出て歩けるお姉さまが羨ましいわ。」


「それが、婿探しでも?」


エスタ-シャは頷きながら


「決められた人と結婚するより、自分の足で探したいわ。

 お母様のように後で寂しいのは嫌だもの。」

と驚くようなことを口にした。


「エスそれはどういうこと?」


「お母様は結婚しても幸せではないみたい。」


あんなに優しい王様と仲睦まじく見えたのに本当のことは判らないものね。

それにしても無邪気に見えた11歳のエスタ-シャが

こんな事を考えているとは驚いてしまう。





「今日はどんな方とお会いになるの?」


「とりあえず、王族に近しい方が招かれているらしいわ。」


「まあ、楽しみですわ。」


「簡単なものではないのよ。

 私の場合、呪いがかかっているのだから。」


「呪い…」

エスタ-シャは少し考え込んでいた。



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