明日目が覚めたら
サンドラを探しに行ったきりアレクも戻らないままだ。


ウルルは、王が声をかけて集めた

何人かの王族の息子たちと謁見し、

婿探しを始めていた。

本来の目的なのだから…

どの男と会ってもピンとこないし、

昨日の肩の激痛を思い出すと、

簡単にキスで調べる気にもならない。

何より、見ず知らずの人間と口づけをするなどという行為は

ふざけてもできそうになかった。


それに、この肩の原因が判らない内は

先に進めない。



ウルルは殿方にお引き取り戴いて、アルの帰りを待つことにした。


エスタ-シャは、久しぶりの大勢の来客に興奮しながら。


「お姉さまのお眼鏡に叶う方はいらしゃらなかったの?」

と尋ねてきたが、

「そうね、申し訳ないけれど。」

と、答えるしかなかった。

気が乗らないときに何をしても駄目だと感じた。




ウルルは部屋へ戻ってベッドにゴロンと横になった。



「アルもサンドラも何処に行ってしまったのかしら?」



昨夜の事もあり、ウルルはそのまま深く眠りに堕ちた。


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