明日目が覚めたら
グラタ城の南門は常に閉めたままの状態のため守衛室は使われていない。

したがって灯りがつくことは無い。


此処に灯りが灯るとき凶兆の証と言われ、

それ故、誰ひとり近寄るものは無い。



ウルルは自分達がそこに向かっているということに途中で気がついた。


「ねえエスタ-シャ、まさかとは思うけど、

 昼間言ってた南門に向かっているような気がするのだけど…」


「ふふ…」


「エス!」


エスタ-シャじゃないと確信した。


自分の腕をきつく握り引っ張って歩くエスタ-シャ。


何処から見ても彼女に違いないのに


なら、誰だというの?




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