明日目が覚めたら
ウルルの体が復調し、馬に乗れるようになるまで、

約1ヶ月、

思いの外、長い滞在となった。



王は全てのことを覚えていた。

グラタで、サンドラがそうであったように。

王太后は、精神が錯乱した状態だったという。

元々、ガイアを我が子のように可愛がるような優しい王妃だった。

気持ちが揺れていたとは言え、

こんな大それたことをしでかすような人ではなかった。

ウルルの中の呪いの種が、

心の隙間を黒く染めてしまったのだろう。

自分がしでかしたことの大きさに

精神が保てなくなってしまった。


母の心の闇を、気づいてやれなかったことで、

ジェインもガイアも本腰を入れて未来の国づくりを考え始めた。

二人で作る新しいビジョンに王族や役人たちの思惑は

一切入れるつもりはないそうだ。



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