明日目が覚めたら
ウルルが馬車の中で一人ジタバタしているうちに、

一行はアセンダルフ城に到着していた。

馬車の扉がカチャリと音を立てて開いた。

そこから覗いたのは、懐かしいシルファーの顔。

「姫さま。」

「シルファー!!会いたかった。」

ウルルは思わずシルファーに抱きついた。


「あらあら、姫さま子どもみたいに。

 色々大変でしたね、怪我をしたと聞いたときは

 肝が冷えました。」

「まだ、あちこち傷痕は残ってるけど、

 骨折も治ったし、大丈夫よ。」

シルファ-はウルルの左手の甲を見て、

「目的は果たせたようですね。」

そう言って笑った。

「なんのこと…え?」

ウルルの左手には呪文のような文字が

あざのように浮き上がっていた。


まさかさっきの…?





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