明日目が覚めたら
「そこ、段差ある。」

「わ、あ、なあ、無理。怪我しちゃうじゃないか。目隠し外すぞ。」

「だって、駄目ったらだめなの。」

この騒ぎで、城の中には誰も残っていなかった。

ウルルとアレクは人気のない月明りしか入らない浴場に二人いるのだ。

アレクに目隠しをして浴場についてきてもらっている。

「どうせ暗くて見えないんだろ。」

「そうだけど、、じゃあ、こっち見ちゃだめよ。」

「了解。」


アレクは目隠しを外しながらため息をついた。

なんてことだ、城を出発してまだ2日目だと言うのに、

俺もサンドラも捕らえられ、

もう少しで姫を火ダルマにしてしまうところだった。


たかが婿探し、子どもの遊びのようなものだと

甘く考えていたが


どうやら、

事はもっと深いところにありそうだ。


王妃のあの目は常軌を逸っしていた。

姫の肩の痣が出たことと繋がっているのだろう。


考えろアレク、国一番の知恵者の名が泣くぞ。
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