明日目が覚めたら
「だいたい、その話は本当なのかしら。

 城中の男とキスをしてみたけど痣なんて何処にも表れなかったわ。」


「姫様!本当にそんな事を?」


「あら、キスぐらいどうということは無いわ減るもんじゃなし。」


乳母のシルファ-は、頭を抱えてしまった。

ウルル姫は、この国唯一の王位継承者である。

王妃様は、姫様をお産みになられてすぐご逝去されてしまった。

王様は、それはそれは姫を溺愛されて、

このように自由奔放な方に育ってしまわれた。


「姫様、愛するということはもっと神聖なものなのです。

 簡単にできてしまうような口づけでは愛は測れないのです。」


「判ったわ、もう、腹をくくることにします。

シルファ-明日立つことにします。馬と従者を用意なさい。

お父様にもお伝えして。」
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