明日目が覚めたら
「そうか。」
王はアレクからの報告を聞きながら
眉を寄せた。
「お前はわたしが引き金になったというのだな。」
「王様は、ウルル姫の母君シルベル様を愛していらっしゃったようですね。」
「当たり前だ、たったひとりの妹だった。」
「それだけではないのでしょう?
男と女の関係でしたね。」
「お前どこでそれを…」
「偶然見つけました。
王妃様のお部屋にある書架から、
王様からシルベル様に宛てられた 手紙が出てきました。」
「王妃はそれを読んだのか…」
「たぶん。心の闇の要因です。」
「そうか。」
「呪いは心の隙間に巣喰うのです。
王妃様の心の闇に呪いはつけこんだのでしょう。
王妃様の心の闇は炎とともに燃え尽きました。
ただ、目覚めた王妃がどうなってしまうのかは、
予想できません。」