明日目が覚めたら

「もう一つ

 心配なことがございます。

 エスタ-シャ様も、

 この事件に関わってしまいました。

 サンドラが言うには、操られていても、

 すべて、見え、聞こえ、感じることは

 変わらなかったそうです。

 目覚めたあとのエスタ-シャ様も心に傷が残っているでしょう。」


「そうか。よく判った。

 ご苦労だった。あとは私が引き受けよう。

 全て私の若い頃の過ちの代償だ。

 言い訳になるかもしれんが、愛していた。

 狂おしいほど誰よりも。

 たとえそれが神に背き

 悪魔に命を売ってでも愛したかったのだ。

 シルベルは私の行為に耐えながら毎日泣いていた。

 それすらも喜びに思えるくらい病的に溺愛していたのだ。

 私の愛は、シルベルも、王妃も、エスタ-シャも、ウルル姫さえも

 不幸にしてしまった。」

アレクは沈黙を破り、

「王様とシルベル様のことは、誰にも話しません。

 私の胸にしまっておきます。」

「感謝する。アレク。お前たちはこれからどうするのだ。」


 



 

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