明日目が覚めたら
ウルルは乳母のシルファ-とアレクと離れることが何よりも不安だった。
アレクと一緒に旅ができる事に決まり、心はずいぶん楽になった。
兄のように慕うアレクはウルルの初恋であり
城で唯一口づけを交わせなかった男だった。
アレクは兄、兄と愛し合うなどありえない。
その思いが強くてとてもそんな気分はなれなかった。
見慣れた大好きなアレクの背中を追いながら、
旅立ちの暗い気持ちを振り払って、
グラタ国へと想いを馳せた。
たとえ、この先辛いことがあったとしても、
この旅を後悔したりしないようにしよう。