ヤンキーぼーいが惚れた天然がーる!!*完結*
周りが次々と声をあげる中、あたしは目の前に広がる光景を見ていることしかできなかった。
ふたりは殴って殴られ之繰り返しで、お互いの頬からは血が流れていた。
「んでだよ!!オマエ、バスケが好きだったんじゃねーのかよ!?」
「……っ!!好きだったよ!!前まではなぁ!!」
瑞希の拳が、敦くんの頬に入る。
だけど、敦くんは倒れずに、少しよろめいてから瑞希の頬に一発入れた。
「だったらなんでだよ!!
オレはもう一度、オマエとバスケやりたかったのによぉ!!!」
敦くんは瑞希の胸倉を掴むと、力強くそう言った。
誰もが息を呑んだ。
ふたりの迫力はすさまじく、誰も止めに入ることなんてできない。
「オマエに…オマエにオレの気持ちなんかわかんねぇよ!!
わざわざ昔のこと掘り起こしてんじゃねぇよ!!!!」
敦くんは目を細めると、
「このっ……バカヤロー!!」
拳を高くふり上げた。