ヤンキーぼーいが惚れた天然がーる!!*完結*
友美は気づいているのかもしれない。
あたしの気持ちが揺らいでいることに。
でも、それだけじゃ怒らないはずなのに……
「正樹はあげない!」
……えっ?
あげ……ない…?
「あたしがもらう。あたしだってずっと……正樹が好きだったから」
友美はそう言うと、あたしを睨んでから走ってギャルたちのあとを追いかけた。
……あたしは、なにを言われたの。
親友の友美から、なにを告げられたの。
“あたしだってずっと……正樹が好きだったから”
信じられない。
……あたしたちは、同じ人を好きになっていたの…??
それなのに、あたしの応援をしてくれたの?
……ごめん。
ごめん、友美っ…
正樹を想う友美にしてみれば、あたしの行動は許せないにちがいない。
「……菜々」
瑞希に呼ばれ、ゆっくりと顔をあげる。
「泣くな、菜々…」
瑞希の瞳に映ったのは、涙を流した……
自分だった。