ヤンキーぼーいが惚れた天然がーる!!*完結*
「……なっ!!
髪の毛ちゃんとあるもん!」
ガタンと勢いよく立ち上がったのはいいものの、クラス中から一気に視線がむけられた。
「……柴田…」
「す、すいません!!」
そして、また勢いよく座った。ちらりと横を見れば、彼が笑いを堪えている。
……なによ!!
笑わなくてもいいじゃん!
……やっ、まだ笑ってはいないよね……。
「やべっ。オマエ、まじウケる(笑)」
褒められてるの…?
それとも、バカに…?
「奈々。今度から、そー呼ぶから」
あたしがうーんと考えてると、ふいに彼がそんなことを言った。
「じゃあ、あたしは……」
そこまでいって、言葉に詰まる。
あたし、彼の名前知らないよね……?
「名前……」
「瑞希。前川瑞希。よーく覚えとけ」
「うん!!前川くんね!!わかった♪」
「違う」
……え??