ヤンキーぼーいが惚れた天然がーる!!*完結*
車が発進して、家が遠ざかっていく。
見慣れた民家が遠ざかっていく。
町が、学校が、遠ざかっていく……。
「菜々、寝なさい?少し時間がかかるわよ?」
あたしは頷いた。
後ろの座席であたしは横になると、ゆっくりと目を閉じた。
目を閉じれば、楽しかった学校生活がよみがえってくる。
友美と一緒に登校して、正樹に挨拶して…。
一緒にふざけて、バカやって……。
ツゥ…とあたしの頬を、静かに涙が流れた……。
***
「菜々、ついたわよ♪」
揺さぶられながらあたしは目を開ける。
そっか……あたし、寝ちゃって……。
まだ重たい瞼をこすりながら起き上がる。
なにがなんだかよくわからない。
とりあえず、車から降りてみた。