オレンジ・ドロップ
運び終えた皆は、それぞれに席に着いている。
廊下にいる私を除いては。
「サヤも教室入りなよー」
「うん♪」
その声に誘われるように私も中に入ったものの、何処にいたらいいのか分からず、教室の隅に立っていた。
一人の女の子が手招きしてる
私は彼女の所へ足を運ぶ。
「サヤ、私のこと覚えてる?」
顔は見覚えがあるのだけど、名前が出てこない
誰だっけ? そう思いながらも笑顔で返す
「うん、覚えてるよ♪」
彼女の近くに座っていた女の子から声が掛かかる。
「はじめまして、私“久野”だよ♪クノタンでよろしくー“サヤ”って呼んでいい?」
「うん、いいよ」
「よろしくねー」
「よろしくー♪」
彼女たちとのこんなやり取りのお陰で、居心地の悪さが少し消えた丁度その時、
ガラッ
教室の扉が開き、先生が入ってきた。