オレンジ・ドロップ

 ―― 次の日

 さて、気を取り直して

 教室の扉を開けると数人の女子グループが何やら話してるようだ


 「おっはよ~♪」


 「おはよ。サヤは何処受験するの?」


 「えっ?」

  何でこのタイミングでそんなこと聞くかなぁ?


 「今ねみんなで何処受けるか話してたんだ」

 あまり……言いたくないんけど

 …言わなきゃダメみたいだね?


 「……順鳳」


 「えっ!? 都立じゃないの?」

 意外な顔をされたのは嬉しかった


 「うん。私立……順鳳一本……単願だから都立は受けられなくなっちゃったの」


曖昧な笑みしか出てこない


 「そっ……か」

 有り難い事に、その場に居合わせた人たちはそれ以上突っ込まないでいてくれた。




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