オレンジ・ドロップ
「サヤと薗ちゃんって友達だったの?」
いつから此処にいたのか? 今日、初めてクラスが一緒になった恵ちゃんが声をかけてきた。
「ちが……」
「昔ね、小学校の時に一緒だったんだよ」
と笑顔で答えるのは夏井。
私の言葉は、彼女によってかき消されてしまった。
その後、私に向けられた彼女の表情に何も言えなくなってしまった。
“余計な事言うんじゃないよ”
そう言われてる様で、そのまま彼女たちを背に、家路に向かった。
救いなのはクラスが離れている事。
今後で出来るなら鉢合せしたくない。
その想いも虚しく彼女と会う日が再びやってくる。
でもそれは、もう少し先のこと。