オレンジ・ドロップ

 その時、事件は起こる 


 「あっ!!」

 意味もなく大声を出す荻野くん

 クスッ(笑)

 思わず笑ってしまった

 試験中だったので声を押し殺した私


 「「プププッ(笑)」」


 「「ブブブブ~(笑)」」


 笑いが伝染し

 クラスの半分くらいの人が笑い出した 


 「「フハハハハハハ~~~(笑)」」

 皆は声を大にして


 「こらっ! 試験中だぞ!」


 「すみませ~ん」

  わざと?

 オチャラケた感じで返事をする荻野くん


「みんなも試験中だぞ! 私語を慎め!」

 笑い声はすぐに消え、試験モードに切り替わる



  空気が変わった

 明らかにさっきの重苦しい空気はない

 皆も同じ想いだったんだ

 荻野、ありがと


 目を合わせる事なく心の中で呟く

 残りの時間は必死に試験と戦う事が出来た


 この日、彼が進路指導室に呼ばれたのは言うまでもない

 試験中ということもあってすぐに帰された

  良かった♪


なんとか無事に学期末&学年末試験を終えることが出来た



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